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デジタルバックとは、中判カメラのフィルムバックの代わりに取り付けることのできるデジタルモジュールで、装着することで中判カメラのシステムをデジタルカメラとして使用するためのものだ。現在は、フェーズワン(Phase One)、リーフ(Leaf)、ハッセルブラッド(Hasselblad)、ジナー(Sinar)、マミヤ(Mamiya)などのメーカーからデジタルバックが発売されており、画素数やセンサーサイズの大きさも様々にある。

 35mm判やAPS-Cサイズ相当のセンサーを搭載する一般的なデジタル一眼レフカメラに対し、その魅力はなんといってもセンサーサイズの大きさだろう。35mm判フルフレームセンサーの36×24mmに対し、フェーズワンのフラッグシップモデルP65+では53.9×40.4mm、P40+で43.9×32.9mmと格段に大きい。大きなセンサーから得られる浅い被写界深度、圧倒的な解像感、16bitの豊かな階調と広いダイナミックレンジは、一般的なデジタルカメラとは一線を画すクオリティといえる。特に階調表現にはすばらしいものがあり、暗部からハイライトまでディテールを失うことなく表現される。

 ただし、一般的なデジタル一眼レフカメラに敵わない部分もある。連写や高感度ノイズだ。例えばニコンD3Xの連写速度が5コマ/秒なのに対し、P40+は1.2コマ/秒、または1.8コマ/秒(Sensor+時、後述)となっている。連写速度が遅い理由のひとつは、センサーにCCDを採用している上、大きいためキャプチャーに時間が掛かるためだ。とはいえ、銀塩中判カメラ自体も35mm判カメラほど連写性能は高くないので、業務での撮影で気になることはほとんどない。

 かつては機動力も敵わない分野だった。数年前までのデジタルバックは、液晶モニター、記録メディアスロット、バッテリーなどはなく、撮影するにはパソコンとデジタルバックをFirewireケーブルで接続する必要があったのだ。基本的にスタジオでの使用を想定していたためで、風景撮影などには不向きといえた。しかし最近のデジタルバックのトレンドは、スタンドアローンでオペレートできるタイプとなっている。フェーズワンでもPシリーズやP+シリーズは、CFスロットやバッテリーを搭載。35mmベースのデジタルカメラとほとんど変わりない機動力と操作性が備わっている。
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 フェーズワン製のデジタルバックが対応するカメラは、ハッセルブラッドHシリーズ、ハッセルブラッドVシリーズ(555ELD、503CW、501CM、903SWCなど)、マミヤRZ67 Pro II、マミヤ645、フェーズワン645、コンタックス645AFなど。また、アダプターを使用すれば、デジタルバックをラージフォーマットのカメラに取り付けることもできる。

 今回は、5月に発売されたばかりの最新モデル、フェーズワンP40+を試用することができたので、そのインプレッションを書いていきたいと思う。

■ 高感度や連写に強くなる「Sensor+」

P40+をハッセルブラッド503CWに装着した状態。後ろについている四角いボックスがデジタルカメラバックのP40+だ
 まず、P40+のスペックを簡単に見てみよう。P40+は、ラインナップで上から2番目の画素数を誇るモデル。センサーには、43.9×32.9mmの4,000万画素CCDを採用。このクラスのセンサーサイズでは、世界最高の画素数を実現している。また、今までの、P+シリーズ(P21+、P25+、P30+、P45+)などは、コダック社製のセンサーを採用していたが、P40+では、ダルサセミコンダクター社製を採用。ピクセルサイズは、6×6μmとなっている。また、ISO感度は、ISO50~3200(Sensor+モードを含む)、露光時間は1/10,000秒~1分、バッファには1.3GBのRAMを搭載している。液晶モニターは23万ドットの2.2型を採用。

 特徴的な機能としては、「Sensor+」モードの存在が挙げられる。これは、センサーのフルフレームを使って1,000万画素のイメージを生成するモード。クロップなどと違いレンズの画角は変わらない。

 Sensor+にはいくつかの利点がある。その一つは高感度に強い点。通常撮影時に設定できるISO感度はISO50~800だが、Sensor+使用時にはISO200~3200となる。スタジオ使用がメインのためか、今までのデジタルバックは、お世辞にも高感度に強いといえなかった。しかし、Sensor+を使用すると、4画素を1画素として扱うため、ノイズはSensor+を使用しない時にくらべ1/4となる。Sensor+を使って撮影した時のISO800と、Sensor+を使用せずに撮影したISO200のノイズはほぼ同じになる。高感度の撮影が可能になることで、35mm判のようにF1.4などの明るいレンズの無い中判システムでも、手持ちでの撮影や薄暗いロケーションでの撮影が楽に行えるようになったのは大きい。
 
 また、画素数が1/4になることで、RAWデータ量も1/4になりファイルの扱いが楽になる。データが軽くなるとはいえ、イメージの品質は全く失われない。その上、連写速度が上がるのもSensor+の特徴だ。通常P40+の連写速度は、1.2コマ/秒なのだが、Sensor+使用時には1.8コマ/秒に上がる。1分間で最大108枚の撮影が可能ということになる。なお、フェーズワンのデジタルバックは書き込み速度が一定のため、CFがフルになるまで書き込み続けることができる。

 今回テストするにあたり、色々なシチュエーションで P40+を使用してみた。カメラボディはハッセルブラッド503CW。そこにP40+Vマウントを使ってP40+を装着した。
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 まず、操作感は今までのPシリーズとまったく変わらない。すべての操作を「画像表示」、「メニュー」、「ISO」、「WB」の4ボタンのみで操作できる。メニューもとてもシンプルで、撮影に必要な操作は、ISO感度、WB、ファイル形式の設定くらいで済んでしまう。とりたてて難しい操作や設定はなく、フィルム感覚で撮影できるのが特徴的だ。

キヤノンは4日、プロ向けデジタル一眼レフカメラ「EOS-1Ds Mark III」または「EOS-1D Mark III」の購入者全員にA3ノビインクジェットプリンター「PIXUS Pro 9000 Mark II」と純正用紙をプレゼントするキャンペーンを開始した。期間は12月25日まで。


EOS-1Ds Mark III EOS-1D Mark III

PIXUS Pro 9000 Mark II

 申込みは、Webサイトからダウンロードできる申込用紙に必要事項を記入し、「キヤノン保証書のコピー」、「レシートまたは領収書など(コピー可)」、「製品箱のバーコード部分すべての切り取り」の3点と併せて郵送する。

 なお、プレゼントに含む純正用紙は、「キヤノン写真用紙・絹目調 A3ノビ、20枚」(SG-201)、「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]半切、20枚」(PT-101)、「ファインアートペーパー・ミュージアムエッチング A4、10枚」(FA-ME1)
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 EOS-1Ds Mark IIIは、35mm判サイズ相当の有効2,110万画素CMOSを搭載したデジタル一眼レフカメラ。デュアルDIGIC III、ライブビュー機能、3型液晶モニターなどを備える。実勢価格は79万8,000円。

 EOS-1D Mark IIIは、APS-Hサイズ相当の有効1,010万画素CMOSセンサーを搭載するモデル。10コマ/秒の高速連写が可能。センサーダスト対策機構、3型23万画素TFT液晶モニター、デュアル DIGIC IIIなどを搭載する。実勢価格は44万8,000円。

 PIXUS Pro 9000 Mark IIは、染料インクを採用したA3ノビインクジェットプリンタ。新たに光沢プロ[プラチナグレード]に対応。より光沢感のあるプリントが可能になった。実勢価格は5万9,980円前後。
2009.09.04 小さな防湿庫


オートクリーンドライ ED-41CDB
 写真を撮るようになり、機材の数が増えてくると、使用頻度の少ない機材がどうしても出てくるもの。特にボディとレンズでお気に入りの組み合わせができると、使わないカメラ機材は本当にまったく使わなくなってしまう。

 筆者も今年の梅雨時までは、そうした使わない機材を特に気にせず棚に置いていたのだが、考えてみれば日本の夏場の湿度は相当なもの。出社している間は自室も無人で空調は切っているし、蒸し暑い室内に放置することが機材に良いとはとても思えない。中でも怖いのがカビだ。

 はじめは余った衣装ケースに機材を入れて、除湿剤と防カビ剤でも一緒に入れておけばいいかなと思ったが、定期的な薬剤交換と湿度管理の手間を考えると、多少値が張っても長期的には安上がりだろうと判断し、本格的な防湿庫の購入に踏み切った。

 購入したのは東洋リビングの「オートクリーンドライ ED-41CDB」(3万9,800円)。除湿方式は「電子ドライユニット方式」を採用。除湿ユニットには光を照射すると強い酸化作用を生じる光触媒(酸化チタン)を組み込んでおり、有機物質を水や炭酸ガスに分解することで、庫内の脱臭、抗菌、防カビなどを見込めるという。

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回は最も小型な容量41リットルの製品を使用した。外寸は334×353×454mm(幅×奥行き×高さ)、内寸は332×299×407mm、重量は10kg。

 レビューに際して収納した機材は、K10D、K-m、DA 16-45mm F4 ED AL、DA 55-300mm F4-5.8 ED、50-200mm F4-5.6 DC OS HSM、FA 35mm F2 AL、DA 15mm F4 ED AL Limited、DA 40mm F2.8 Limited。大口径望遠ズームレンズなどの大きなレンズを持っていないので、すべての所有機材が余裕をもって収納できた。スライド棚の波型レンズホルダーは取り外し可能なので、取り出しやすさを考慮せずに詰め込めば、さらに多くの機材が収納できるだろう。


庫内には単3電池式の湿度計を備える。庫内の湿度と温度を同時に表示可能 機材収納例。最も小型とはいえ、詰め込めるだけ詰め込めば相当量の機材を収納できる

波型レンズホルダーが付属する

スライド棚を取り外したところ 扉にはロックも備える
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 内部には湿度コントロール用のダイヤルがある。高湿度と低湿度という形でしか指標が示されていないのは、ダイヤルでコントロールできるのが乾燥剤の再生タイミングのみであるためのようだ。ちなみに加湿は不可能。
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 背面からはやや高温の気流が排気されている。設置するとき、壁面にぴったりとくっつけてしまうと危険な気がしたので、筆者は壁から5cm程度離しておくことにした。設置場所は自宅用PCの横。設置面積はそれなりだが、上に物を置いたからといって用をなさなくなるたぐいのものではないので、天面にはインクジェットプリンターを設置している。

 また、ED-41CDBはラインナップ上最少サイズというのもあるが、金庫のような見た目ほど重量はないので、中に機材を収納したままでも配置換えは比較的容易。扉やスライド棚は軽く、動作音や振動も皆無だ。

 湿度がコントロールできるということは、カメラ機材に限らず、書籍やCDなどの収蔵にも対応できるといえる。試しに所有している写真集を入れてみたのだが、判型の大きなものは入り切らないこともあった。ケチらずにもう一回り大きな防湿庫を買っておけば良かったかな、と思ったが、特に大事なものに関してはここに保管可能なことがわかったのでよしとした。

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除湿ユニットは構造上、内部と繋がっている 予備のコンセントも装備。着脱はできないが、バッテリーや携帯端末の充電器などを繋いでおくと便利だ

湿度調整用ダイヤル 写真集を収納したところ。判型が大きすぎてED-41CDBでは収納できないものもあった

 カメラ機材について、「きちんと使っていれば、カビが生えることはない」という話を耳にすることがあるが、使い方では、特別に意識しない限り、すべてのボディとレンズを万遍なく使うことは難しい。しかし、普段は使わなくても、いざ機材を使用する時にできるだけ良いコンディションで使いたいと思っているのならば、心配事を減らす意味も含めて防湿庫を使うというのは、悪い選択ではないと思う。なくても別に困らないが、少なくとも使わない機材をとりあえず放り込んでおく場所としては最適だろう。
キヤノンは、約8コマ/秒の連写性能を持つデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」を10月2日に発売する。価格はオープンプライス。

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 「EOS 50D」(2008年9月発売)の上位に位置するミドルクラスモデル。「妥協のないスペックの実現と視覚・聴覚・触覚に訴える本物の質感」をコンセプトのひとつとしており、例えばファインダー視野率は、APS-Cサイズ相当のCMOSセンサーを搭載するEOS DIGITALとして初の100%を実現している。加えてAFセンサー、連写性能、AEシステムなどをEOS 50DやEOS Kiss X3からブラッシュアップすると同時に、フルHD動画記録にも対応した。

 なお、EF-S15-85ISUレンズキットに付属する新レンズ「EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM」や、EOS 7Dに装着可能なワイヤレストランスミッター「WFT-E5」については、それぞれ別ページで紹介したい。

■ 本体のみで8コマ/秒の連写が可能
 撮像素子はAPS-Cサイズ相当の有効1,800万画素CMOSセンサー。クラス最多の画素数となる。RAWの記録画素数は5,184×3,456ピクセル。2,592×1,728ピクセルのS-RAWに加え、3,888×2,592ピクセルのM-RAWの記録も可能。sRAW1、sRAW2という呼称ではなくなった。

 常用感度はISO100~6400。感度拡張で最高ISO12800での撮影も行なえる。有効撮影画角はレンズ表記焦点距離の1.6倍相当で、EFマウントおよびEF-Sマウントに対応。

 画像処理エンジン「DIGIC4」を2つ搭載。EOS-1D/1Ds系と同様のデュアルエンジンの考え方を継承するもので、画像処理に余裕が生まれ、データ書き込みなどの動作が高速化するという。ちなみにEOS 50DはDIGIC4を1つ搭載するシングル構成だった。

 高速連写性能も向上した。本体のみで約8コマ/秒の撮影が可能。また、CFスロットはUDMAに対応する。JPEGラージ/ファインでの連続記録枚数は、最大約126コマとなっている。また、書き込み中にスロットカバーを開いても、書き込み操作を中断しない特徴を持っている。

 液晶モニターは3型約92万ドット。数値上はEOS 50Dと同等だが、液晶パネルと保護パネルの間に光学弾性体を充填し、真空状態に加工する「ソリッド構造」を採用することで、外光下での見やすさが向上したという。液晶パネルと保護カバーの間にゴミが入る問題も解消した。

 また、EOS 5D Mark IIなどが採用する外光センサーも搭載。再生画像確認時は、最初に検知した環境で明るさを固定するよう改善したという。

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■ 19点すべてをクロスセンサー化
 測距点数はEOS 50Dの9点から19点に増加した。センサーの配置は菱形で、すべてのAFセンサーにクロスセンサーを採用する。さらに中央には、斜め十字にF2.8光束対応、縦横十字にF5.6光束対応のデュアルクロスセンサーを搭載。測距エリア選択モードとして、19点から任意の1点を選ぶ「1点AF」、指定したゾーン内で被写体を自動検出する「ゾーンAF」、カメラが19点から自動的に選ぶ「自動選択」の3つから選べるようになった。このうちゾーンAFモードは、5分割されたゾーンから任意のゾーンを選択可能。自動選択モードでは、AIサーボAF時に被写体追随表示も可能という。測距点の選択は電子ダイヤル、またはマルチコントローラーで行なえる。

 また、EOS-1D/1Ds系の「AFフレーム領域拡大」を継承。選択した測距点を被写体が外れても、上下左右の測距点が自動でアシストする。そのほか、使用しないAFフレームを表示させないようになっている。加えてAIサーボAFが「AIサーボAF II」に進化。手持ちでのマクロ撮影でも効果があるという。

 AF関連ではそのほか、AFスタートボタンに選択AFフレーム、AEロックボタンに登録AFフレームを割り当てる(逆も可能)ことが「AF開始位置選択」で可能になり、AFフレーム選択のステップを簡略化できるようになった。なお登録AFフレームへの移動はマルチコントローラー中央押しでも可能。

 もうひとつの新機能「AF制御切替登録」では、絞り込みボタンおよびレンズボタンに、測距エリア(スポット、任意、領域拡大、ゾーン、19点全自動)、AIサーボ追従敏感度、AIサーボ時の測距点選択特性、AIサーボ1/2コマ目以降といった動作のいずれかを割当てられる。動く被写体の性質にあわせて、シーン毎の使い分けが可能だ。

■ 視野率100%・倍率1倍のファインダーを装備
 ファインダー視野率はEOS 50Dの約95%から広がり、約100%を実現した。倍率も約0.95倍から約1.0倍に拡大。EFレンズ使用時、肉眼とほぼ同じ大きさで被写体を見ることができるという。また、透過型液晶デバイスを用いた「インテリジェントビューファインダー」を採用。EOS DIGITALとして初の機能で、「AFフレーム表示」、「視野内表示」、「グリッドライン表示」、「スポット測光表示」、「ファインダー内水準器表示」を切り替えられる。その代わりフォーカシングスクリーンの交換ができなくなった。

 測光システムにも手が加えられている。縦2層構造の63分割デュアルレイヤー測光センサーを新開発し、AF情報、色情報を利用する「iFCL(intelligent Focus Color Luminas)測光システム」を組み込んだ。19点のAFフレームに対し、どのAFフレームで被写体を捉えても、その測光エリアに適切にウェイトがかけられる。構図に関わらず、主被写体と背景の露出バランスを最適化するという。測光モードとしては、従来と同じく「評価測光」、「部分測光」、「スポット測光」、「中央部重点平均測光」から選択が可能だ。

 ライブビューは顔優先ライブモードに対応。独自の電子先幕シャッター方式による静音モードもEOS 50D同様に利用できる。カメラ内でのレンズ周辺光量・自動補正もEOS 50Dに引き続き搭載する。

■ 24pや60pでのHD動画記録が可能
 EOS 50Dになかった動画記録にも対応する。EOS DIGITALでは、EOS 5D Mark II、EOS Kiss X3に次ぐ搭載となる。引き続き「EOSムービー」の名称で訴求するという。圧縮方式は従来と同様にMPEG-4 AVC。音声はリニアPCM。

 記録解像度およびフレームレートは、1,920×1,080ピクセルが30p・25p・24p。1,280×720ピクセルが60p・50p。640×480ピクセルが60p・50pとなっている。24p、25p、60p、50pは今までのEOSムービーになかったフレームレート。また、音声サンプリング周波数が44.1kHzから48kHzになった。

 また、ファームウェアップデート後のEOS 5D Mark IIと同様、動画記録でのマニュアル露出にも対応。内蔵マイクでの簡易録音(モノラル)に加え、3.5mmステレオミニジャック経由での外部マイク接続も利用できる。カメラ内での動画のカット編集も可能になった。

 また、EOS DIGITAL初の電子水準器を搭載。水平および前後の2軸に対応し、ライブビュー撮影時、ファインダー撮影時、動画記録時のすべてで利用できる。撮影待機中にも表示が可能で、三脚設定時に傾きを見る目安になる。


■ 内蔵ストロボにトランスミッター機能を搭載
 内蔵ストロボにトランスミッター機能を内包したのもトピック。これまでEOS DIGITALでは、外部クリップオンストロボによるワイヤレスライティングを行なう際、マスターとなるスピードライトトランスミッター「ST-E2」や、クリップオンストロボ上級機の「スピードライト580EX II」をホットシューに装着する必要があった。EOS 7Dでは、内蔵ストロボがトランスミッター機能を有し、本体のみでの多灯制御が可能になった。

 内蔵ストロボの照射角は15mm(35mm判換算で24mm相当)をカバー。これまでは17mmだった。キットレンズEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMの広角端で、ケラレることなくストロボ撮影ができる。

 シャッターユニットも新しくなった。物理的な接触面がない非接触式ロータリーマグネットを採用。EOS 5D Mark IIのシャッターユニットから基本構造を継承すると同時に、EOS-1D/1Ds系と同等のパーツを採用し、15万回のシャッター耐久回数をクリアする。なおEOS 50Dは10万回となっている。

 ちなみに、シャッター音についても見直しを図り、「金属的でキレのある、鋭いレリーズ音を実現した」としている。シャッターユニットの部材やミラーバウンド抑制機構を見直すと同時に、モーターやギアの駆動音も遮音。不快な音を遮断したという。また、スロットカバーにも緩衝材を入れることで、開閉時の音を抑制している。

■ いままでにない多彩なカスタマイズ性能
 ボタンレイアウトはEOS 50Dから大きく変化した。まず、メインスイッチを背面左上に配置。EOS 50Dではサブ電子ダイヤル左下にあり、サブ電子ダイヤルのロック機構と一体になっていた。ロック機構そのものは引き続き利用できる。またEOS 7Dでは、ファインダー右横にライブビュー/動画撮影専用スイッチを搭載。EOS 5D Mark IIやEOS Kiss X3にはない操作系で、レバーでライブビューと動画撮影を切り替えておき、ボタンを押すことでそれぞれの表示または記録が始まる。

 ボディ下部にあったメニュー系ボタンは、液晶モニター左側に移った。EOS 30D時代に戻ったことになる。同時に多くのボタンがサイズアップ。さらに操作系ボタンを中心に外装面から突出させることで、手袋をしたままでの撮影が容易になったという。ボタンの大型化にともない、アイコンをボタンに直接印刷したのも特徴。従来はボタンの右上などにプリントしていた。

 ファインダー左にワンタッチRAW+JPEGボタンを新搭載。押すたびにJPEG→JPEG+RAW、RAW→JPEG+RAWなどへと切り替える。EOS DIGITALでは初めての機能となる。さらにシャッターボタン付近には、新たに「マルチファンクション(M-Fn)ボタン」を搭載した。FEロック、ワンタッチRAW+JPEG、デュアルアクシス電子水準器のいずれかを割り当てておき、瞬時に切り替えられる。

 背面液晶モニターでのクイック設定画面(情報表示)についても、ファインダー左に専用ボタンを設けることで使い勝手に配慮。EOS 50Dはマルチコントーラーの中央押しだった。また、クイック設定画面からも入れる「C.FN IV:操作・その他 操作部材への機能割り当て変更」では、シャッター、AF-ON、AEロック、絞り込み、レンズ、マルチファンクション、セットの各ボタンや、電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、マルチコントローラーといったほとんどの操作部材に別の機能を割当てられるようになった。これもEOS DIGITALとして初の機能で、従来より大胆な操作カスタマイズが可能になる。

■ 防塵防滴ボディを採用
 バッテリーには、EOS 5D Mark IIと同じリチウムイオン充電池のLP-E6を採用。CIPA規格準拠の撮影可能コマ数は、ファインダー撮影時で約800コマ(常温)、約750コマ(低温)。ライブビュー撮影時で約220コマ(常温)、約210コマ(低温)。

 専用のバッテリーグリープ「BG-E7」(2万1,000円)も発売する。LP-E6を2つ装備可能で、バッテリーマガジンにより単3電池の使用も行なえる。本体に縦位置操作用のAEロック、測距点選択、AFスタートボタンなどを搭載。防塵防滴構造となっている。

 ボディは防塵防滴構造で、外装はマグネシウム合金製。電池室、メモリーカードスロットカバー開閉部、各種操作ボタン周りなどにシーリング部品を採用。外装カバーの高精度段差合わせ構造や、グリップラバーの密着構造などにより、EOS 50Dを超える防塵防滴性能を実現したという。

 モードダイヤルにはアルミリング板や金属ボールを採用。サブ電子ダイヤルもアルミ製になっている。グリップも新設計となり、力のかかる部分のラバーを厚くするなど、グリップ感の向上や手の疲労を軽減したという。従来のキヤノン中級機はラバー厚が均等だった。

 本体サイズは148.2×73.5×110.7mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約820g。EOS 50Dとほぼ同じ本体サイズながら、EOS 5D Mark II(約810g)とほぼ同等の本体重量になっている。

 付属アプリケーションは、「Digital Photo Professional 3.7」、「ZoomBrowser EX 6.4.1」、「EOS Utility 2.7」、「Picture Style Editor 1.6」など。このうちEOS Utilityでは、PCからのリモートライブビュー撮影時に外部ストロボの調光が可能になるほか、ミラーアップ撮影に対応する。またZoomBrowser EXは60fpsで記録した動画の再生が可能。











パナソニックは、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠したレンズ交換式デジタルカメラ「LUMIX DMC-GF1」を9月18日に発売する。価格はオープンプライス。本体色はエスプリブラック、アーバンレッド、シェルホワイト。商品ラインナップは次の通り。

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DMC-G1(2008年10月発売)、DMC-GH1(2009年4月発売)に次ぐ、パナソニックのマイクロフォーサーズ機「LUMIX G」シリーズの新製品。今回はパームグリップ部や内蔵LVF(ライブビューファインダー)を省略し、コンパクトデジカメを思わせるスタイリングで登場した。また、G1では不可能だった動画記録にも対応している。

 従来通り、マイクロフォーサーズ対応の交換レンズを装着可能。LVFは外付けオプション「DMW-LVF1」として用意する。なお同時発表の交換レンズ「LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.」については、別ページで紹介したい。


クイックリターンミラーを使わないライブビュー専用設計

■ 内蔵ストロボ搭載で世界最小ボディ
 スタイリングはコンパクトデジタルカメラの「LUMIX DMC-LX」系を思わせるもの。本体サイズは119×36.3×71mm(幅×奥行き×高さ)で、DMC-G1より幅5mm、奥行き8.9mm、高さ12.6mmの小型化に成功している。重量はDMC-G1から10g軽い約285g。その代わりLVFを外付けとし、液晶モニターもフリーアングル式ではなく固定式を採用した。アスペクト比3:2、3型46万ドットという液晶モニターのスペックに変化はない。外装にはアルミニウム素材を採用。

 6月発売のマイクロフォーサーズ機、オリンパス・ペンE-P1と類似したサイズながら、内蔵ストロボを装備。照射角は14mm(35mm判換算で28mm相当)となる。パナソニックでは本機を「内蔵フラッシュ搭載のレンズ交換式デジタルカメラとして世界最小・最軽量ボディ」と説明している。E-P1と違い、ボディ内手ブレ補正機構は搭載していない。

 撮像素子はDMC-G1と同様、有効1,210万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載。アスペクト比16:9、3:2、4:3の記録が可能だが、DMC-GH1が搭載する「マルチアスペクト」(アスペクト比を変えても記録画素数を損なわない)ではなく、いずれも4:3からの切り出しになる。また、DMC-GH1から採用が始まったアスペクト比1:1も選択できる。1:1に関してはDMC-GH1も4:3からの切り出しで、本機も同様となる。


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■ AVCHD Liteを採用
 動画記録機能も搭載。ただしDMC-GH1が採用するAVCHDではなく、コンパクトデジタルカメラのDMC-TZ7やDMC-ZX1が搭載するAVCHD Liteを採用した。フルHD(1,980×1,080ピクセル)での記録は不可能だが、1,280×720ピクセルでの記録に対応する。 60p記録(センサー出力30コマ/秒)に対応。転送レートは17Mbps、13Mbps、9Mbps。DMC-GH1と同様、Motion JPEGでの記録も選択できる。

 シャッターボタンの左横に独立した動画ボタンを搭載。DMC-GH1から引き続き、動画撮影時にも「おまかせiA」を適用させることが可能で、シーンに合わせてカメラが「風景認識」、「顔認識」などを行なう。顔認識を応用した「個人認識」も搭載。LUMIX GではDMC-GH1からの機能だが、今回から最大3名までの認識に対応し、名前の同時表示に対応した。

 DMC-GH1、DMC-G1にあったマイカラーモードは大幅に進化した。これまでは「光の色」、「明るさ」、「鮮やかさ」などのパラメータを変えて自分好みの絵作りを行なう機能だったが、今回は「ポップ」、「レトロ」、「ピュア」、「シック」、「モノクローム」、「ダイナミックアート」、「シルエット」といったプリセットの効果を画面上で確かめながら撮影できるようになった。従来の機能は「カスタム」として用意してある。また、「背景ボケ」モードも新機能。絞り開放のボケ効果を事前にプレビューできる。

 記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。バッテリーパックはDMC-GH1およびDMC-G1と共通。リチウムイオン充電池のDMW-BLB13を使用する。ビエラリンク対応のHDMI端子も装備。











米国タムラック(Tamrac)社のカメラバッグやポーチなど12製品を発売した。


■ 5613/5611
 ノートパソコンの収納に対応するカメラバッグ。タムラックのプロ仕様バッグとして初のレインカバーを装備。レインカバーは取り外し可能で、不要時はポーチに収納できる。また、使用時でもトップカバーの開閉が可能。ハイエンドデジタル一眼レフカメラ2台、望遠レンズなどの交換レンズ4~5本とノートパソコンを収納できる。価格は5613が4万8,720円、5611が4万3,260円。いずれも8月下旬に発売。


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 内寸と重量は、5613が390×190×270mm(幅×奥行き×高さ、以下同)、2,584g。5611が340×190×240mm(幅×奥行き×高さ、以下同)、2,280g。

■ 5630/5625
 大型ズームパックの新モデル。大口径望遠レンズとハイエンドデジタル一眼レフカメラの収納に対応する5630と、大口径標準ズームと中級デジタル一眼レフカメラの収納に対応する5625。価格は5630が1万7,325円、5625が1万3,020円。いずれも9月末の発売。


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 内寸と重量は、5630が200×160×310mm、597g。5625が150×110×180mm、503g。

■ 3330/3325/3320

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 大型のズームレンズを内蔵したデジタルカメラを収納できるズームパック。カラーをブラック&グレー、ブラウン&タンにリニューアルする。価格は3330が5,985円、3325が4,935円、3320が4,410円。ブラウン&タンについては、3330と3320が9月末の発売、3325が10月末の発売。そのほかは8月下旬に発売。


3330(ブラック&グレー) 3325(ブラック&グレー)

3320(ブラック&グレー)

 内寸と重量は、3330が150×120×180mm、210g。3325が140×110×160mm、176g。3320が110×100×130mm、153g。

■ 3340/3365

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 軽量デジタル一眼レフカメラ用のショルダーバッグ。カラーをブラック&グレー、ブラウン&タンにリニューアルする。8.9cmのズームレンズを装着した中級デジタル一眼レフカメラが収納できる。価格は3340が7,665円、3365が5,985円。3340のブラウン&タンは10月末の発売。そのほかは8月下旬に発売。


3340(ブラック&グレー) 3365(ブラウン&タン)

 内寸と重量は、3340が170×130×160mm、357g。3365が150×80×110mm、260g。

■ 3586/3585/3584
3584_1_s.jpg


 ウルトラスエード生地採用のコンパクトデジタルカメラ用ポーチ。メイン収納部はジッパー式。ベルトループを備え、ショルダーストラップが付属する。価格は3586が3,675円、3585が3,465円、3584が3,255円。カラーはブラウン、レッド、ブルー、ピンク、ブラック。いずれも8月下旬に発売。


3586(ブルー) 3586(左からブラック、ピンク、レッド、ブラウン)

3585(ブラック) 3585(左からピンク、ブルー、ブラウン、レッド)

3584(ブラウン) 3584(左からブルー、ピンク、レッド、ブラック)

 内寸と重量は、3586が60×40×110mm、66g。3585が60×40×120mm、99g。3584が60×30×110mm、84g。

名称
「ハードディスクドライブ(HDD)」「ハードディスク」「ハードドライブ」「磁気ディスク」「固定ディスク」などと呼ばれる。JIS情報処理用語では「ハードディスク」である。

構造的には、本来は回転する円盤(円板)が「磁気ディスク」または「ハードディスク」で、回転軸やモーターなどの駆動装置を含めた全体が「磁気ディスクドライブ」または「ハードディスクドライブ」であるが、特に区別せず呼ばれることも多い。また、ディスクが駆動装置やコンピュータ本体などに固定され、容易には着脱できないものが多かったため「固定ディスク」とも呼ばれる[1]。現代のハードディスクドライブの大半は金属製の筐体でほぼ密閉されているため、「密閉型ハードディスクドライブ」とも呼ばれている。

歴史的には、当初は「磁気ディスク記憶装置」または単に「ディスク装置」と呼ばれていた。またコンピュータから見たアクセス特性より、当時の磁気ドラムなども含め「DASD」とも呼ばれた。しかし後に「柔らかいディスク」を意味する「フロッピーディスク」(またはフレキシブルディスク)が登場すると、その対比で「硬いディスク」を意味する「ハードディスク」の名称が一般化した。なお「ウインチェスター・ディスク」(Winchester disk)もハードディスクの別名とされた時代もあったが、本来はIBM 3340の開発コード名である。


概要
円盤(ディスク)がアルミニウムやガラス等の硬い(ハードな)素材で作られていることから「ハードディスクドライブ」と呼ばれる。パーソナルコンピュータ用の補助記憶装置では、かつて主流の位置を占めていたフロッピー・ディスク・ドライブより、遥かに大きい記憶容量を持ちアクセス速度も非常に高速である。

元々、メインフレームの補助記憶装置として利用されていたが、現在ではパーソナルコンピュータを含めたあらゆる汎用のコンピュータや、大容量のランダムアクセス記録を必要とする業務用専用装置にて用いられている。

ハードディスクドライブはその構造上、耐久性に問題の多い記憶装置であり消耗品である。経年変化でベアリングの磨耗のような機械加工部品のがたつき等により読み書きの障害が高頻度で発生したりする。また衝撃でクラッシュすることもある。一見正常に動いているように見えて、一部破損によってデータが間違ったり、何の前触れも無く動作不能に陥ることもある。重要なデータが入っている場合は、定期的にバックアップを取るなどの対策が必要である。バックアップを取っておらずにデータが消えた場合のユーザー向けに、データ復旧ソフトウェアやデータ復旧サービスを提供する業者も存在する。


歴史
世界最初のハードディスクは1956年のIBM 305 RAMACの一部として登場した、IBM 350ディスク記憶装置である。直径24インチ(約60cm)のディスクを50枚も重ねたもので、ドライブユニットのサイズは大型冷蔵庫2個分程もあるが、約4.8MB(原稿用紙5000枚程度)の記憶容量しかなかった。

2000年代に入り家庭電化製品のデジタル化が進み、音声映像等のデータをデジタルデータとして記録する用途が生じてきたことから一般の家電製品での利用も増え始めた。容量単位の価格が安価で大容量、ランダムアクセスが可能で、下記のRAMディスクには劣るがアクセス速度も比較的速く、さらに書き換え可能という特性を生かし、2003年以降、特にハードディスクレコーダーやデジタルオーディオプレーヤーといった用途での搭載が増加している他、カーナビゲーションにも搭載され、地図情報の保存等に利用されている。

2009年現在、上記の家電製品やパーソナルコンピュータ等での使用においては、筐体内に内蔵する方式が多いが、本体とは別の外付ユニットをUSBやIEEE 1394等の通信ケーブルで接続する方式も増設用途などで存在する。また、ネットワーク上で特定コンピュータ装置に従属しない独立した外部記憶装置として利用できるNASと呼ばれる製品も存在する。

ハードディスクドライブは半導体メモリと比較して読出・書込には時間が掛かる。そのためOSから見てハードディスクドライブと同様のオペレーションで、より高速なアクセスを実現するための工夫もされてきた。 2009年現在では、主流である3.5インチサイズのHDDの記憶容量は、1台で数百GBから2.0TB(1.81TiB余り)に達している。また、ノートパソコンでよく用いられている2.5インチサイズのHDDの記憶容量も、1台で百数十GBから750GB に達している。

近年では小型化や低消費電力を重視する傾向が強まり、出荷台数ではPC用で主流の3.5インチサイズばかりでなく、それまではノートPCが主な用途だった2.5インチサイズ以下のHDDがゲーム機やサーバ用途を中心に需要が広がっている。2007年のHDD国内出荷台数は、2.5インチ以下のHDDが全体の53%となっている[2]。


構造

ハードディスクドライブ外部
ハードディスクドライブ内部
磁気ヘッド部分。プラッタが鏡の様にヘッドの姿を写している
磁気ヘッドの拡大図
トラックとセクタ
プラッタ
基本構造
ハードディスクドライブの基本構造はレコードプレーヤーに類似している。レコード盤に当たる円板がプラッタ(ディスク)、針に当たる物が磁気ヘッド、および磁気ヘッドを駆動するスイングアーム等から成り立つ。アームは円盤上を1秒間に最高100回程度の速度で往復でき、これによって円盤のどの位置に記録されたデータへも瞬時にヘッドを移動して読み取り、書き込みが可能である。コンピュータ製品に関わる光学ディスク装置は、ヘッドを円盤回転軸の中心へ垂直に走査する(ディスク・パックから密閉型/サーボ面サーボからデータ面サーボに移行する 1970年代後半から1980年代初頭に、リニアアクチュエータ+ステップモータからスイングアーム+ボイスコイルに変化した。)。


プラッタ
アルミニウムやガラス等の硬い円板(ディスク)に磁性体を蒸着等の方法により塗布し、データを記録しているので「ハードディスク」という。また、この円板部分を「プラッタ」と呼び、プラッタの各面のことを「サーフェス」と呼ぶ。通常、ハードディスクドライブは1枚以上のプラッタが取り付けられていて、プラッタの両面または片面に読み書きする。容量が同じでも、プラッタ枚数の少ない方が故障確率が下がる為に高性能品とされる。ガラス製プラッタはHOYAの発明品である。またハードディスク・プラッタにガラスを使った世界初の製品は、2000年にIBMから発売されたIBM Deskstar DTLA-307020である。

プラッタの磁性体の上には、ライナーと呼ばれる潤滑剤が塗布されている。 CSS方式を採用したディスク停止時には磁気ヘッドとプラッタは接触しているが(この際の磁気ヘッド位置をシッピングゾーンと呼ぶ)、このライナーの上をヘッドが滑り、回転数が上がるにつれ、プラッタ表面近傍のプラッタと共に回転する空気によってヘッドが地面効果によって極わずか(後述#記録密度参照)に浮き上がる。このライナーが劣化すると、ヘッドが磁性面に引っかかる形で衝突し、ヘッドクラッシュという現象を起こす。一般に、このライナーの寿命がハードディスクドライブそのものの寿命となる。このため、密閉式のハードディスクドライブは準消耗品的な扱いを受ける場合が多い。 それに対し、Load/unload方式を採用したHDDでは停止時にディスクの外側にヘッドを退避しており、ディスクの回転数が規定の速度に安定した段階でディスク上にくるような機構となっている(3.5インチ型ではHGST、WDが採用。2.5型ではすべてのHDDが採用している。)。

古い時代(1980年代)のハードディスクドライブは、停止命令を送ると(NECのPC-9800シリーズでは「STOP」キーを押す)、ヘッドをプラッタから引き上げ、退避位置に移動させるようになっていた。しかし、部品点数削減と停止命令を送らないOS(MS-DOS等)の普及等から、ヘッドはプラッタの上に放置される様になった。この仕様変更以降、互いに鏡面加工された物体が接触した状態で放置されると、そこで接着されてしまう「はりつき」と呼ばれる現象が発生するようになった。これは、ハードディスクドライブが起動しなくなる深刻な障害で、回復させるために様々な方法が考案された(バケツの水を回す様にハードディスクドライブ筐体を電源を入れながら回転させる、クッションに包んでハードディスクドライブを床に落として衝撃を与える、筐体を分解してディスクを手で強制的に回転させる等)。後にプラッターの一部に凹凸を付けた領域を設け、電源が切られた場合、強制的にそこへ移動させる様になり、「はりつき」の問題は解消された。現在のOSは、ハードディスクドライブに停止命令や電源オフ命令を送る様になり、特に耐衝撃性能が要求される携帯機器向けのハードディスクドライブでは、ヘッドを退避領域に戻す機構(ドロップ・センサー機能)が復活している。

プラッタと磁気ヘッド周辺は、埃など異物の侵入を防ぐため密閉されており、フロッピーディスク装置とは違い記録メディアとドライブ、コントローラ、インターフェイスが一体となっている。基本的に金属製の筐体は開けられないようになっている。開けてしまうと埃がプラッタに付着し、磁気ヘッドと衝突して壊れてしまう。

ただし、完全に密閉されている訳ではなく、使用時の温度変化に伴うドライブ内の空気圧の変化に対応するため、1箇所だけ小さな空気取り入れ口が存在する(埃が入らないようにフィルタが付いている)。磁気ヘッド自体が空気分子により磁性面より幾分浮き上がっているので、温度変化は磁気ヘッドと磁性面の間隔を左右する要素である。空気取り入れ口はこの圧力を一定に保つ役割を持つ。

だが完全に密閉されていないということは逆に、空気が薄いと地面効果が小さくなってヘッドとプラッタがぶつかりやすくなり、真空中では地面効果が発生しないためにヘッドが浮かないため、そのような場所で動かすHDDは完全に密閉するか、地面効果以外の何らかの手段でヘッドを浮かせる必要がある。使用環境については各HDDにおいて気圧(高度)の仕様もある。


モーター
ハードディスクドライブの機能を実現している電気部品のうち、駆動系に関わるのはモーターである。ハードディスクドライブに関わる電動機は2つあり、1つはプラッタを回転させるスピンドルモーター、もう1つは磁気ヘッドをシークさせるスイングアームを駆動するボイスコイルモーターである。スピンドルモーターはダイレクトドライブ方式であり、4,200・5,400・7,200・10,000・15,000rpmが主立った回転数である。

アーム駆動モーターは通常のモーターの形ではなくリニアモーターであり、2枚の強力な磁石(主にネオジム磁石を使う)の間にコイルを置き、このコイルの動きがそのままスイングアームの動きとなる。このようなアームのシーク方式は1993年頃から一般化したが、それ以前のハードディスクドライブには、ステッピングモーターの回転をアームの動きへと変換するリンク構造が用いられていた。この方式はハードディスクドライブ全体の小型化やシークタイムの微小化に不向きであり、現在そのような方式が用いられることはない。

スピンドルモーターやアーム駆動モーターは、サーボ制御によってコントロールされている。スピンドルモーターにホール素子を取り付け、回転数を制御している。この方式は、現在も変わっていない。アーム駆動モーターの位置決めは、古くはステッピングモーターが初期位置を確定すれば絶対座標で制御できることから、サーボ制御は行われていなかった。しかしボイスコイルモーターになった時、アームの正しい位置を知る必要が生じた。初期の頃は、プラッターの1面をサーボ制御情報取得専用に用い、この面から読み取られた座標情報をもとにアームの位置決めを行っていた。現在はアドレス情報を記録データと混在させることにより、アームの熱変形の影響を抑え、さらにプラッターのサーボ制御専用面を廃した。

ハードディスクドライブは起動時にサーボ情報を収集するキャリブレーションと、定期的にサーボ情報を補正するリキャリブレーションを行う。いずれもサーボ情報をメモリに保持し、ヘッドの動作速度を向上させるための動作である。時にこのリキャブレーションが問題となることがあった。Windowsなどで使われたコンシューマー用ハードディスクはサーボ情報収集中、ドライブへのアクセスを待機させても支障は無かった。しかし、FreeBSDなど一部のOSではこの待たされている間にタイムアウトが発生してドライブが切り離され、場合によってはOSがクラッシュするという事態が生じた。このため両者はそれぞれ改良を行い、サーボ情報収集中にアクセスがあった場合にはリキャリブレーション動作を中断してアクセスを受け入れ、またOSはリキャリブレーション動作の可能性を含めたタイムアウト時間を設定した。近年のハードディスクドライブは一度にサーボ情報を読むのではなく、定期的に通常のディスクI/Oに1トラック/1秒程度の間隔で割り込ませ、サーボ情報の補正を行っている製品が多い。アクセスの少ない深夜などに、ハードディスクドライブが「コツコツコツコツ」という音を立てることがあるのはこのためである。


軸受
ハードディスクドライブには2つの軸受が必要である。1つは円盤下部においてモーター内部の軸を支える軸受、もう1つはヘッドをシークするアームの台座となる部分である。 軸受の種類としてはモーターの回転軸の軸受部にボールを使用した玉軸受(ボールベアリング)と流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing;FDB)がある。流体動圧軸受はモーターの軸と軸受の間が潤滑油で満たされている。非回転時は軸と軸受が接しているが、回転時に動圧が発生し軸と軸受が非接触状態となる。そのため回転抵抗が非常に低く静音でモーターの寿命も延長できるため、最近は流体軸受の方が主流である。 潤滑油が漏れるのではないか?といった懸念があるが、オイルシール部は撥油膜(潤滑油をはじく)で被われており、大きな衝撃を加えない限りは潤滑油は飛散しない。

流体軸受は潤滑油の粘性により、擦動面に設けられた溝を流れる際に生じる圧力よって軸を軸受から浮上させる。従って、温度が下がって潤滑油の粘性が高く、かつ擦動面が接触している始動時、大きな起動トルクが必要となる。このため、流体軸受を採用したドライブの最大消費電力はボールベアリングを採用したドライブよりも高めになる。そのため使用環境について最低温度の規定がある。 モーターを構成する永久磁石は経年劣化により磁力が弱まり、場合によっては必要な起動トルクを発揮できなくなってしまうことがある。こうなってしまうと、ハードディスクドライブは電源を維持している限りは動作するが、一度電源を落とすと二度と起動しなくなってしまう。この現象は流体軸受を採用しているドライブに顕著だが、ボールベアリング式のドライブでも、ベアリングのレール面が劣化してやはり起動トルクが大きくなってしまった場合に見られる。このような劣化により粒子がHDD内部に散らばることによる不具合もおこりうる。 サーバなど長期運用する装置のメンテナンスを行う場合には、このような事態に備えて事前にバックアップを取ることが推奨される。


記録密度
プラッタ上の記録密度は垂直記録のもので、2009年6月現在、最大で約400ギガビット/平方インチの物が製品化されている[3]。

ヘッドとプラッタは、記録密度を支配するハードディスクドライブの主役である。かつてヘッドは、磁気テープ用ヘッドと同様の構造をした、ごく小さな点にギャップを持つ磁気回路に巻き付けられたコイルであった。そして、コイルそのものをエッチングによって微小領域に構成した薄膜ヘッド、そして磁気抵抗効果を利用したMRヘッド、さらに巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッドから、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMRヘッドへと移行した[4]。

プラッタは様々な表面処理技術によって進化している[5][6]。

ヘッドとプラッタの技術は二人三脚であり、各メーカーが新技術開発へ向けて研鑽している。ムーアの法則には及ばないが、それでも指数関数的に記憶容量は大容量化している。


インターフェース

パラレルATA端子とケーブルハードディスクドライブの内蔵インターフェースとしては、現在大きく分けてATAとSATAとSCSI、SAS、ファイバーチャネルなどがある

外付けインタフェースとしては、古くから使われているSCSIの他にUSBやIEEE 1394で接続するのが一般的となってきているが、ハードディスクドライブ本体のインターフェースはATAやSCSIであり、ハードディスクドライブ・ケースに内蔵された変換基板により相互変換されている。外付けインターフェースの一種として、ネットワークからTCP/IP接続出来る様にしたNASも徐々に普及してきているが、これもハードディスクドライブ本体にはATAまたはSCSIのものが使われる。

現在、コンシューマー市場の主流は、内蔵用ハードディスクドライブで、ATAインターフェースを採用した製品である。SCSIは機能面は豊富であったがそれに伴い非常に高価であったのに対し、ATAは低コストで製造できたため急速に普及し、PC/AT互換機に標準搭載されることでデファクトスタンダードとしての地位が決定的となり、後には、PC/AT互換機で一般的に使われるチップセットにはATAコントローラーが含まれるようになった。そして、これらの効果により生産量が増えたATAハードディスクドライブが量産効果によって更に安価になっていった。これに対して、SCSIハードディスクは、ハードディスク単体の値段の差もさることながら、多くの場合SCSIインターフェースボードを購入する分高コストになったため、一般用としてはあまり利用されず、現在では各種サーバ用途での利用が主である。

しかし、ATAはもとより機能面での制約が厳しく、コマンド拡張技術のATAPIやアドレス拡張技術のLBAなどの拡張技術により何度も機能拡張を余儀なくされ、その度に互換性の問題や「容量の壁」と呼ばれる論理容量の限界が発生していた。また、ATAデバイスは多くのデータを並列して流せるが同期が必要不可欠なパラレル転送方式であり、速度向上を続けることでパラレル転送方式での転送速度向上が技術的に困難になっていた。

これらの問題を整理し、更なる拡張を行うため、2000年にシリアルATAが誕生している。

2008年現在は、パラレルATAからシリアルATAへの移行はほぼ終了し、パソコンショップの店頭に並ぶハードディスクドライブは、既にシリアルATAが大半を占めている。また、パラレルATAは規格上の制限から外付けには使えなかったが、シリアルATAを外付けドライブとして用いるための拡張規格として、eSATAが規格化され製品化されている。現在ではパラレルATAのサポートを打ち切りシリアルATAのみをサポートしたチップセットが登場するなど、シリアルATAへの移行は急速に進んでいる。しかし、ハードディスクに比べ光学ドライブ(CD、DVDドライブ)のシリアルATAへの移行が緩やかであるため、互換性の維持のためにパラレルATAを外部チップによりサポートするなど、しばらくは並行使用が続くと思われる。

現在、SCSIハードディスクドライブが使用されるのは、エンタープライズ用途(サーバや各種ストレージシステム)以外には自作PCユーザ層や自宅サーバなど、わずかにとどまり、個人向けの市場では非常に少なくなったインタフェースではあるが、その時々の最新規格では常にATA系の規格を凌駕する高性能規格である。特に高信頼性を必要とする企業向けサーバや、ストレージシステムに用いられるハードディスクドライブの主力インターフェースとして広く採用されてきた。SCSIハードディスクドライブは高回転化(現行品は10,000rpmと15,000rpm)が進み、ランダムアクセス性能に秀でているが、高回転化ゆえにプラッタ径が小さくなり容量増大は緩やかである。なお、インターフェースの信頼性が高く、SCSIハードディスクドライブも高性能ではあるが、高信頼性の面ではgoogleやUSENIX等で否定的な見解も示されている[7]。

一時期U1280まで計画されたパラレルSCSIは、U320を最後に打ち切られ、最新規格はATAとほぼ同時期にシリアル化されたSerial Attached SCSI(SAS)である。この規格では、SASのH/A(ホスト・バス・アダプタ:SCSIのコントロールカードは伝統的にこう呼ばれる)にSerial SCSIとSerial ATAの両方を接続可能としている。またファイバーチャネル (FC) もSCSIに属する規格であり、ストレージエリアネットワーク(SAN)に利用され、またディスク・アレイ内部でのコントローラとハードディスクドライブの接続にも用いられる場合がある。マルチメディア系のインターフェースとして一般に普及したIEEE 1394も、SCSI規格がベースとなっていることから、広義のSCSI規格に属する。


コントローラ
ヘッドにケーブル、もしくはフィルム基板の形で直結されているピックアップアンプからインターフェースまでの間に、コントローラ基板を搭載している(メインフレームの時代には別体であった時代もあった)。一般的にこの基板は、それ自体が独立したマイコンで、モーターやヘッドのサーボ制御・位置決め・トラック位置に応じた書き込み電圧の制御・読み書きする際の変調・インターフェースとのデータの入出力・キャッシュメモリの制御等を行う。1990年頃から更にタグ付キューイングと遅延書き込みを担当し、OSの負荷を軽減した。1990年半ばからIDEハードディスクドライブでは、DMA転送モードに対応し始めた。しかしUltra DMAの登場まで活用されなかった。

高機能なコントローラ(主にSCSIで)は、ハードディスクドライブ間の通信をサポートしている。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる(ホストCPUのメモリにはアクセスしない。言い換えればその操作中CPUは別の仕事ができる)。また、他のハードディスクドライブのサーボ情報と連携を取り、複数のハードディスクドライブのスピンドル・モーターの回転を同調することができる(スピンロック)。これはRAIDにおいてアクセス速度を向上させるのに役立ったが、近年のデータ読み書き速度の向上と、大容量のキャッシュメモリを備えること、バスマスター転送による非同期I/Oの普及により、この機能は廃れている。この機能の廃止に伴いハードディスクドライブ同士の共振による振動がアクセス速度や信頼性に影響を与えることになったが、ハードディスクドライブ・メーカーは振動を検知して共振を打ち消すようにモーターを制御する技術をスピンロックに代わり提供するようになった。

かつて、SASIインターフェースを備えたSASIハードディスクドライブが主流であった頃、コントローラは2種類のインターフェースを持っていた。一つはホストCPUとつながるためのSASIインターフェース、もう一つはスレーブコントローラ(ST-506仕様)を接続するための拡張インターフェースである。しかしベアドライブを除くスレーブとなる製品が市場にほとんど出回らなかったことから、SASIハードディスクドライブはホストCPUに一台しか繋がらなかった。SASIハードディスクドライブは時代の変遷と共にその座をSCSIハードディスクドライブに譲った。時代的誤認が散見され、SASIの後継がIDEと認識されている場合があるが、SASIはSCSIの直接の先祖であり、電気的特性も近く、ソフトウエアで工夫することでSASIインターフェースをSCSIインターフェースとして動作させられるほど、この2者の関係は深い。

特殊なコントローラとして、ESDIインターフェースとSCSI,SASI,IDEインターフェースを仲介する外付けコントローラが存在した。このコントローラは旧時代のESDIハードディスクドライブ・インターフェースと、近代的なハードディスクドライブ・インターフェースの橋渡し役として機能した(初期のSASI,SCSI,IDEハードディスクドライブはこのコントローラを内蔵していた)。SCSI/SASI/IDE→ESDIに変換するタイプのコントローラの中身は、現代のハードディスクドライブのコントローラそのものに近い。ESDIはそのベースとなったST-506を改良したインターフェースIDEが作られ、その座をIDEハードディスクドライブに譲った。


フレーム
初期の大型ハードディスクドライブはモノコック構造を採用する物もあったが、すぐさまダイキャストによる、フレーム/筐体一体構造が採用されている。NC工作機によって芯出し、面出し加工が行われており、フレームはハードディスクを構成する部品すべてをたった1個の鋳造加工品のみで保持している。フレームは開口部をいくつか持っており、代表的な開口部は上部パネルを取り付ける、機械構造部品すべてを取り付ける蓋部分、スピンドルモーターを装着し電源コネクタを露出させるスピンドル部、ヘッドアンプからの信号を背面のコントロール基盤に伝える為のコネクタ穴の三つである。製品によっては開口部が少なかったり(ヘッドアンプを蓋部分からフィルム基板で迂回したりして、蓋以外の開口部がないものもある)、逆に沢山の穴があいている物もある(かつてウエスタンデジタルの製品はシールで蓋をしたプラッタ面へのアクセス窓があった)。フレーム内部は非常に複雑な形状をしており、流体力学的に空気の流れをコントロールするよう様々な凹凸がもうけられている。またダストトラップと呼ばれる部品に空気を誘導する構造があり、密閉後内部で発塵したゴミをトラップで永久に固定する様になっている。

歴史的経緯からフレームのネジ止め穴は複数用意されており、そのすべてにネジを差し込む必要はない。一般に3.5"ドライブのネジ穴は12個、それより小さいドライブは8個から4個である。フレームの固定は応力が発生しないよう、ネジを仮止めした後対角線をなぞる順番で徐々に締めるとよい。


パーティション
ハードディスクドライブは1台で大容量を利用出来るため、利用方法に合わせて内部を区画(パーティション)に分割出来る。個々の区画を別々のOSで利用することも出来る。


フォーマット
かつて、ハードディスクドライブはフォーマットして使用するデバイスであった。このフォーマットは、物理フォーマットと論理フォーマットにわけられ、前者はサーボ情報からセクタ情報まで全てを再構築するものであり、後者は前述のパーティションを作成する際に不良セクタ情報を集めて、それらを予備領域で代替し、ファイルシステムを構築するものである。

現在のハードディスクドライブは物理フォーマットを行う為の条件が厳しく、温度・湿度・振動・電源・またその他いくつかの条件を厳密に管理しないと設計された容量でフォーマットする事は難しい(外乱を受けると、その瞬間に扱っていたセクタは使用不能になる)。この為、ハードディスクドライブは物理フォーマットコマンドを廃止したり無視する傾向にある。

かつてハードディスクドライブは欠陥セクタリストがアクセス可能であり、このリストによって欠陥セクタを取り除いた領域がユーザー領域となっていた。このリストの長短がハードディスクドライブのクオリティであり、また使用中にこのリストがどれだけ増えるかが、管理者の頭痛の種であった。このリストの為に用意された領域が溢れた時は、不良セクタが代替不能になり、アクセスするとエラーが発生する。論理フォーマットによってスーパービットマップ等で蓋をしないとアプリケーションの動作不良といった不具合の原因になる。

現在のハードディスクは欠陥セクタリストが見かけ上0である「ディフェクトフリー」ハードディスクドライブである。もちろん物理的にそのようなハードディスクドライブを製造する事は不可能である。実際には、ユーザーがアクセス不可能な領域に冗長領域を持ち、物理フォーマットの時点で問題のあるシリンダやセクタをスキップしてある。セクタにサーボ情報が埋め込まれているので、不良シリンダやセクタはシーク時点で自動的にスキップする。またデータ記録にはリード・ソロモン符号等を使う事でエラー訂正し、ビットレベルの点欠陥は事実上無視できる。記録密度向上によってS/N比は低下する一方なのでエラー訂正技術は現代のハードディスクドライブにとって不可欠な技術となっている。


サイズ

HDDのサイズ比較の一例
左から5.25,3.5,2.5,PCMCIA-HDD2008年現在のコンピュータで利用されているものは、ほとんどが3.5インチや2.5インチサイズのプラッタである。小さなものでは、コンパクトフラッシュサイズのマイクロドライブ、iVDR (Information Versatile Disk for Removable usage) 等もある。小さいサイズのドライブは、2006年以降、急速に大容量・低価格化するフラッシュメモリと競合しており、小型のものから順に市場が縮小しつつある。

8インチ - 大型汎用コンピュータ用途。1980年代まではパーソナルコンピュータ用途でもあった。現在は生産されていない。
5インチ - 大型汎用コンピュータ、1990年代半ばまでのパーソナルコンピュータ用途。現在は生産されていない。
3.5インチ - 1990年代以降、現在のデスクトップパソコンやサーバ、ワークステーション用の主流。なお、回転数が15000rpmに達するような、サーバ、ワークステーション向けドライブでは、躯体は3.5インチ用のものでも、内蔵されているプラッタはそれよりも小さいものが多い。インターフェースはサーバ用途ではほとんどがSCSIであるが、一般市場向け製品のインターフェースは2005年ころを境に、パラレルATAからシリアルATAへと移行している。
2.5インチ - ノートパソコン用の主流。3.5インチに比べ容量あたりの価格は高いものの、消費電力が少なく、耐衝撃、耐振動性に優れることから、最近では一部のデスクトップパソコン、カーナビやゲーム機(XBOX360、PS3)でも利用されている。近年SCSI規格の2.5インチ型が復活し、こちらは従来のノートパソコン向け低性能・低消費電力型ではなく、サーバ向けの高性能・省スペース型となっている。特に環境問題に配慮し消費電力を抑える傾向にあるデータセンターなどで多く用いられている。一般向けインターフェースはパラレルATAのものとシリアルATAのものの両方があるが、3.5インチと同じくパラレルATAの新製品は減少しており、2007年以降はシリアルATAが主流になっている。
1.8インチ - 大部分の小型軽量タイプのノートパソコン用、iPod(現iPod Classicシリーズ)に代表される携帯型音楽プレーヤ、携帯型ビデオプレーヤ用。ハードディスクPCカードのモバイルディスクという単体商品もあった。1.89インチと扱われる場合もある。ノートパソコン用としては2.5インチと接続コネクタ形状が同じ日立GSTタイプとPCカード型(ただしモバイルディスクとは異なりPCカードスロットには対応していない)の東芝タイプがある。現状では、一時はこの分野に参入を計画した富士通は参入を断念。日立は、自社向け中心に生産してたが不採算を理由に生産中止を表明。2008年時点の事実上、東芝とサムスン電子のみが生産するモデル。
1.3インチ - HP製キティホークなどの例があったが、2007年以降、1.3インチ以下の大きさのハードディスクはフラッシュメモリの価格下落の影響により導入の利点が薄れている。2008年時点、サムスン電子のみ生産。
1インチ - 単体ではマイクロドライブと呼ばれる商標のものが一般的に知られている。高性能デジタルカメラや小型携帯型音楽プレーヤー、PDAにも採用された。
0.85インチ - 超小型。東芝が2003年に開発。自社の開発するデジタルビデオカメラに使われている。その他にも、COWON社のデジタルオーディオプレイヤーiAudio6や、2006年2月に発売された東芝のau(KDDI / 沖縄セルラー電話)向けの音楽機能を重視した携帯電話のMUSIC-HDD W41Tにも搭載されている。内部のプラッタは0.85インチ=21.6mmで、これは五円硬貨とほぼ同じサイズ。2007年以降から同サイズでの新製品が発表されていない。
2009年現在ではほとんど意識する必要もないが、少し前までは厚さによる差異も存在した。

ハーフハイト - 41.3mm。2000年以前の高性能3.5インチSCSIHDDに用いられた厚さで、プラッタ5枚以上・磁気ヘッド10個以上の構成となっていた。その後の記憶密度の向上により、これほどのプラッタを内蔵する必要は無くなり、現在では少数の中古品が流通しているに過ぎない。
1インチハイト - 25.4mm。現在では標準的な3.5インチ型HDDの厚さ。プラッタは1~3枚。大容量製品には4~5枚もある。
19mm(17mm) - 3/4インチ。2.5インチ型HDDの初期に存在した厚さ。2.5インチIDE/ATAインターフェースの物では、EIDEよりも前の時代の頃まで。一部3.5インチにも採用され、PlayStation2(後期形)用内蔵HDDに採用された。近年はSCSIやSASインターフェースでサーバー向け2.5インチHDDが登場し、主にこの厚さが採用されている。
12.5mm(12.7mm) - 1/2インチ。2.5インチ型HDDの初期に存在した厚さ。各社微妙に厚さが異なっているため、中古で購入する場合は注意すること。プラッタは3枚。富士通が大容量タイプの2.5インチ型を復活させている。3.5インチ型と同レベルの容量をもちながら省電力・静音性に優れており、大型のノート・パソコンやハードディスク・ビデオ・レコーダなどで再流通している。
9.5mm - 3/8インチ。現在では標準的な2.5インチ型HDDの厚さ。プラッタは1~3枚。以前は2枚が最大だったが、2008年3月4日サムスン電子がプラッタ3枚を製品化した。
8.45mm - 2/3インチ。ごく一時期の東芝製2.5インチ型HDDのみ。プラッタは1枚。1.8インチ幅HDDが開発されるまでは、主に東芝製サブノートPC(初期のLibrettoやDynaBookSS等)で採用されていた。
6.35mm - 1/4インチ。ごく一時期の東芝製2.5インチ型HDDのみ。プラッタは1枚。
なお、東芝製1.8インチHDDは特殊形状で、厚さが8mm(型番末尾GAH)と5mm(同GAL)のものがある。


外付けタイプ

外付けHDD
(バッファロー製)ハードディスクドライブはコンピュータの筐体に内蔵されるのみでなく、外部補助記憶装置としても利用されている。外付けハードディスクドライブはハードディスクドライブ本体を更に金属や樹脂の筐体に入れ、変換回路により端子を変換し、ケーブルによってコンピュータに接続出来る様にした物である。中には内蔵ハードディスクドライブを外付けハードディスクドライブとして利用出来るようにするハードディスクケースという専用のケースもある。これは低価格だが取り付けの手間がかかる内蔵ハードディスクドライブの利点と、手軽に使用出来るが高価な外付けハードディスクドライブの両方の利点を生かし、ハードディスクドライブを低価格で入手し、手軽に扱えるようになるものである。

接続にはSCSI、USB、IEEE 1394、ファイバーチャネル、eSATA、イーサネット等が用いられるが、ATA/ATAPI規格はケーブル長が46cm以内と制限されるため一般的には用いられない。これはATA/ATAPI規格はコンピュータ内部での補助記憶装置の接続に特化して開発されており、コンピュータ筐体外部まで配線を曳き回すことへのノイズ対策が講じられていないことによるものである。

MacintoshはFireWireまたはSCSIで、他のMacintoshと接続することで、外付けハードディスクドライブとして利用できる(接続先から起動も可能)。その他にも、コンピュータと直接接続することによって、外付けハードディスクドライブと同様に使用できるハードディスクドライブを搭載したデジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)やモバイルコンピュータ等もある。

ハードディスクドライブの論理的な記録構造を応用したものにRAIDという仕組みが存在する。これはハードディスクドライブの記憶領域を直列、または並列、もしくはその両方、といった形式に論理的な接続(ハードディスクドライブのインターフェイスとの接続は物理的である)を行い、体感上の速度を上げたり、同じデータが2つのハードディスクドライブに記録されるようにし、バックアップを常時取れるように改良する仕組みである。通常、こういった仕掛けは外付けタイプのハードディスクドライブで行われ、そのような装置を一般にRAIDアレイと呼ぶ。RAIDアレイは一般的なハードディスクドライブとは呼べず、少なくとも2台以上のハードディスクドライブが必要なため、大きさもさることながら価格も高価であることから、企業等のような団体や組織で使用される事例がほとんどである。


リムーバブル・ハードディスク
ディスクを取り外し可能なハードディスクのこと。あるいはハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納して可搬性を向上したもの。かつてリムーバブル・ハードディスクは前者のみが存在した。初期の例では1962年のIBM 1311があり、洗濯機のような筐体に約4.5Kgのディスク・パックをマウントすることができたが、万一ディスク・パックを床に落とすと大変な事になった。

リムーバブルメディアにはフロッピー系(フロッピーディスク、Bernoulliディスク、Zip等)、テープ系(DDS、LTO等)、光磁気ディスク系(MO、MD等)、ハードディスク系等、様々な技術を用いた数多くの製品が今までに発売されて来たが、その内のハードディスク系のものの総称として、一般的にリムーバブル・ハードディスクと呼ぶ。ハードディスクドライブのディスク部のみをカートリッジに入れ、ヘッドや駆動部からなるドライブ本体から構成されており、フロッピーディスクやMOのように使うことが出来る。

他のリムーバブルメディアと比較してハードディスク系は、大容量(フロッピー系、光磁気ディスクよりも)、読み書き速度が高速(フロッピー系、テープドライブ系、光磁気ディスクよりも)、低価格(米国においては光磁気ディスクよりも)という点で優れており、さらにハードディスクドライブの技術がそのまま転用出来るため、新技術の導入も早かった。

1990年代前半までは、米国では広く使われていたリムーバブルメディア(日本ではMOが普及していたため、あまり使われなかったようである)であったが、構造上、埃や衝撃に弱いという欠点があり、また、以前は大容量の物を作るのが難しかったフロッピー系メディアでも、Zipやスーパーディスクのような大容量で低価格な製品が登場したことにより、メディアの価格面で対抗出来ず、現在では存在が薄れている。

5インチ、3.5インチのディスクで、様々な容量の製品が発売されていて、代表的なものにSyQuestのSQ327, EZ135, EzFlyer, SparQ、SyJetや、アイオメガのJaz、Peerless、CASTLEWOOD社のORB等があった。一時はSyQuestやNomai社を中心に、PDC(Power Disk Cartridge)というメディアの統一規格策定の動きもあったが、普及する前にリムーバブル・ハードディスク自体の人気が下火になり、消失した。現在ではアイオメガから2.5インチというMDほどの大きさのREVが、アイオーデータや日立マクセルからiVDR(日立マクセルではiVという商品名を付けている)などが発売されている。

現在では前述の通り2種類あり、ディスクのみをカートリッジに格納したものは基本的に駆動部がないなど、耐久性に優れるが大容量化にはドライブの買い替えが必要である。ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したものは駆動部などが組み込まれているため耐衝撃性は前者に比べて低い。一方で読み書き部がカートリッジに収められているので、大容量化する際は大容量のカートリッジを購入するだけで済むため気軽に使い続けられる。

代表的な製品
REV(アイオメガ) - ディスクとスピンドルモーターのみをカートリッジに格納したもの
iVDR(アイオーデータ、日立マクセル) - ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したもの
RDX QuickStor(TANDBERG DATA) - ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したもの。旧称TANDBERG RDX
Relational HD(アイオーデータ) - ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したもの。カートリッジハードディスク

リムーバブル・ハードディスク REV(写真上)と外付けリムーバブル・ケース(写真下)
リムーバブル・ハードディスクドライブケース
一方で、内蔵ハードディスクドライブを専用のトレイやカートリッジに固定し、そのトレイをリムーバブル・ハードディスクドライブケース(リムーバブル・ケースと略される場合が多い。名称が長いため本項でも略語を用いる)と呼ばれる筐体に格納することで疑似的なリムーバブル・ハードディスクにしてしまう製品がある。これは前述のハードディスクドライブケースと内蔵ハードディスクドライブを用いた疑似外付けハードディスクドライブの利点に加え、取り外しが可能である点を活かして可搬性の向上と、ハードディスクドライブの入れ替えを容易にし、なおかつ省スペース、ケーブル類が少しで済む(単なる外付けドライブの増設ではインターフェースケーブルや電源コードだらけになる)という特徴をもつ。

前述のカートリッジタイプでは、ドライブの生産中止等によりメディアが使えなくなる場合があった。また、互換性のある上位機種が少ないため、メディア容量を増やしたい時は、ドライブとメディア全て他のものに買い換えねばならない場合が多かった。それに対してリムーバブル・ケースでは、ケースが手に入らなくなっても、他社の製品に中身のディスク・ドライブを入れ替えれば続けて使える。また逆に手持ちのケースの中身のディスク・ドライブを変えるだけで、容量の増加が簡単に行えるという長所がある。

1998年~2000年以前では、リムーバブル・ハードディスクというと、ディスクのみという構造を持ったリムーバブルメディアのもののみを指していた。しかし、それらの製品群は、1998年~2000年ごろには他メディアに押されて販売中止となる製品が続出し、陰の薄いものとなった。それに対し、このころに登場したこのリムーバブル・ケースは登場と同時に爆発的に普及し、一般に広く知られるようになった。そのため、現在ではこのリムーバブル・ケースを指すことが多くなった。

2007年現在、1Uサイズからブレードサーバまで、SAS 2.5"ハードディスクドライブ用のリムーバブル・ハードディスクドライブケースを標準装備したサーバ機器が多数発売されている。SASではホットスワップ動作が規定されているので、稼動中の装置から容易にハードディスクドライブを取り出して交換する事ができる。

一部の製品は、ソフト的にパラレルATA接続でのホットスワップが可能な物があった。ただし動作の安定性・確実性には難があり、さほど一般化することはなかった。

代表的な製品
REX-Dockシリーズ(ラトックシステム株式会社)

ハードディスクドライブそのものをカートリッジにした物
SCSIではSCAコネクタを採用した物で、ハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使うシャーシがある(これは薄型RAIDでよく使われた)。汎用リムーバブル・ケースに比べて、カートリッジ化するための部品装着の手間が不要になる、ハードディスクドライブがシャーシに接触するので放熱効率が良い、実装密度を高くすることが出来るなどのメリットがある。デメリットとしてSCAコネクタを搭載したハードディスクドライブ自体が製造数の関係で安価ではない、大容量ドライブの入手性に難があるなどがあげられる。

2.5インチハードディスクドライブはパラレルATAでも、40ピンATAのピンピッチを狭くしただけでなく、電源の4ピン分を含めた44ピンATAに、マスター/スレーブ設定ピンなどを含む50ピンATAとしてコネクタ位置が統一されている。コネクタの抜き差しも弱い力で済んだことから、ノートパソコンではハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使う筐体も有った。安いベアドライブを簡単に入替えられ評判が良かったが、ノートパソコンの場合、ドライブを抜き差しする開口部を作ることすら厳しいこと、ドライブの高さが8mm/9mm/12mmと異なる高さの製品があったことから、実例は多くは無い(日立 FLORA、東芝DynaBook・ポルテジ・Libretto、IBM ThinkPadなどの一部のモデルが本体を分解しなくてもアクセス出来るスロットを備えた)。

3.5インチIDEハードディスクドライブがシリアルATA化した際に、コネクタの位置が厳密に規定されたこと、コネクタ自体がこじらなくても抜き差しできる様になったことから、従来SCAコネクタハードディスクドライブが採用されていた市場・分野にシリアルATAハードディスクドライブが進出している。SCAコネクタハードディスクドライブの欠点であった、容量の問題、価格の問題も解決しており、コンシューマー向けの5インチベイに搭載するリムーバブルシャーシから、大規模ストレージまで幅広く使われる様になった。シリアルATAコネクタを搭載した高信頼性ハードディスクドライブも登場している。


リムーバブル・ケースとカートリッジ・タイプの比較
前述の通りハードディスクドライブをリムーバブルにする技術は現在2種類ある。

リムーバブル・ケース カートリッジ・タイプ
接続の手間 ねじ止め、多数のケーブルの接続が必要 SCSI等のケーブルのみ(内蔵タイプは除く)
扱い易さ ディスク着脱の度に再起動が必要で煩雑(一部製品とIDE接続以外は再起動が不要) メディアの交換がフロッピーディスクと同様に行え、簡単
耐衝撃性 ハードディスクドライブと同様弱い 他のメディアよりは弱いが、持ち運びが前提の規格なので、考慮はされている
ディスク・サイズ ハードディスクドライブと同じか大きめ(トレイを着けたままでは大きくなる) MOのディスクより少し大きめ~MDより少し大きめ
ディスク重量 読み取り装置、電源ユニット等も内蔵されるため重い ディスクのみで構成されるため軽い(規格によっては他の部品も含まれる)。ただし他のメディアよりは重い。
記憶容量 内蔵するハードディスクドライブによる (2GB~1TB(1,024GB)) 使用する製品による。REVの場合35GB/70GB、iVDRの場合は30/40/80/160GB。
アクセス速度 ディスクによる(5,400rpm~7,200rpm前後) 製品による。REV/iVDRの場合4,200rpm
耐故障性 ディスクによる。また冷却ファン電源とHDD電源を共用している場合がほとんどで、冷却ファンの故障によるノイズがHDDの動作不安定、故障を招くことがある 機械的要素が本体装置にあり本体装置に依存する

以上の比較から、リムーバブル・ケースは大容量のデータをディスク毎に分類する目的に適し、持ち運びにはリムーバブル・ハードディスクドライブが最適と言える。また、高いパフォーマンスが必要であればリムーバブル・ケースが望ましい。


問題点

品質
ハードディスクドライブは、その製造過程において高度なクリーンルームや良質の磁性体を必要とし、ドライブの品質は潤滑剤、制御基板等の品質に左右される。これらの事柄が要因となってドライブのロット不良を起こす場合がある。 高密度記録を実現するために、ディスク回転時のプラッタの保護膜表面と磁気ヘッド端部との距離、ヘッド浮上量は2009年6月現在、2nm程であり、タバコの煙の粒子より狭いため、ハードディスクドライブ内部は半導体製造工場並みの無塵度が求められる。


製品寿命
ハードディスクドライブの寿命はS.M.A.R.T.で計られ、MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修復時間)として推測される。一般に温度が高いほど寿命は短くなると思われているが、Googleが自社のサーバ群の故障発生率の統計から発表したデータでは、極端な高温以外の環境では温度と故障率との関連性は認められていない(ただしこれはあくまでサーバの話であり、ノートPCなどでは容易に高温に達する場合もある)。

また、個人向けのIDEと企業のサーバ用途向けのSCSIでは設計時における耐久性に格差が存在し、IDEは一日8時間使用で3年・SCSIは24時間稼動で5年を目安にしているとされるが、実際の製品寿命を保証する物ではない。結果として、5年以上故障を起こさない場合もあるし、半年もせずに壊れる場合もある。

ハードディスクドライブの寿命は前述したように環境に依存しているため、定期的なバックアップの重要性は昔から絶えず言われ続けている。一般ユーザーレベルでのバックアップ先としては、パソコンの初期(1980年代)にはフロッピーディスク、さらにMO、CD-RやDVD-R、果てはBD-R等の光メディアへの保存か、近年は容量などの面から外付けHDDへの保存が一般化している。またサーバ用途で一般的に使われているSCSIを使ったRAID構成は、この問題に対する一つの回答であり、個人向けや家庭向けのRAID構成HDDが発売されている。また、ノートPCなどRAIDが困難な場合でも、ソフトウェアによるミラーリングも可能である。

ドライブの製造期間は短い物で3ヶ月、長い物で1年程度である。かつて通商産業省の指導により性能部品等の保存期間を家電メーカーらが自主的に定め遂行した例(メーカーによる製造終了後の保守部品保持など)はあるが、コンピュータを含む通信機器メーカーはその対象ではなかった。このため、パソコンメーカー等では修理部品の確保が難しい場合が多く、修理作業自体にかかる手間やドライブの価格低下が激しい事情も合わせて、故障した製品の代替の製品と交換することで対応する例も珍しくない。故障したドライブに記録されたデータの取り出しを行う専門業者も存在するが、かなり割高(ドライブ容量によるが軽症なら数千円~重症だと数万円~100万円を超えることも)な代金となることが多い。また新興産業であるため、市販ソフトでしかチェックしなかったり、回収失敗時に他社で成功されて評判が落ちることを防ぐために、HDD返却時に意図的に破損させたりするなどの例もあるといわれている。

ハードディスクドライブの寿命を延ばす方法は色々といわれており、例えばディスクが回転を続けていると発熱し、劣化を促進するため、冷却などによって温度を下げることが好ましいとされているが、方式によっては取った手段が逆効果になる場合もある。3.5インチタイプに多い電源断時にヘッドがディスク上で停止する製品は、起動と停止を繰り返すとヘッドの磨耗や、微粒子による悪影響が生じやすいが、デスクトップPCなど放熱に余裕のある装置に装着されている場合が多いため、PCの起動中はHDDの電源を切らない設定にしておくのがよいとされる。2.5インチタイプに多い電源断時にヘッドがディスク外の所定の位置で停止する製品は、起動と停止を繰り返してもさほど悪影響はなく、ノートPCなど放熱の悪い装置に装着されている場合が多いので温度が高くなりやすいため、こまめに非アクセス時に電源を切る設定にして温度上昇を押さえた方が良い場合もある。


衝撃
ハードディスクドライブは転倒、落下等の強い衝撃を受けた場合、ヘッドが円盤面に衝突して円盤に傷が付いたり、モーター内のベアリングが変形したりしてデータの読み書きが不能となる場合がある(これを一般的にヘッドクラッシュと呼称する)。特に動作中の落下で故障しやすいため、携帯用途で使用されるハードディスクドライブを内蔵した製品を扱う場合は強い衝撃を与えないように注意を払う必要がある。また、希に落下したあとでも正常に動作する場合、そこでできた傷がごみとなり、それがハードディスクドライブ全体に行き渡って破損する場合もある。

輸送時などの衝撃による破損を防ぐため、ヘッドをディスクの安全な領域へリトラクト(retract。収納退避)させることが重要になる。例えばPC-9800シリーズなどの場合、電源を切る前にSTOPキーを押して手動リトラクトする習慣を身につけることが、ユーザーにとって一種の通過儀礼となっていた。やがて、電源を切った際にハードディスクドライブが能動的にリトラクト動作をするオートリトラクト機能を備えることが一般的となった。

一部のハードディスクドライブではこれを発展させ、加速度センサーを内蔵し、自由落下を検出すると電源を切らずともオートリトラクトして破損を予防する機能が付加された。PowerBookなどではディスク外部に加速度センサーを設け、同様の機能を実現している。これらの発展によりハードディスクドライブの用途は大きく広がり、2006年には東芝製の携帯電話「W41T」が0.85インチのハードディスクドライブを搭載した。しかしフラッシュメモリに比較すると、「消費電力が多い」、「小容量ではコスト高になる」、「厚みがかさばる」という難点もあり、以降に発売された機種ではハードディスクドライブを採用した例はない。


制御基板
ハードディスク本体内部もさることながら、その制御基板の部品が焼損することなどで故障する例も多い。同一製品でも製造ロットごとに基板の部品構成が異なる例が多く、その場合はその基板を移植しても動作しないことが多いことや、メーカー側も基板交換の対応は行っていないことから、個人レベルでの対応は困難とされる。


データ漏洩
コンピュータの処分時に、ハードディスクドライブに適切な消去作業を行なわないと中身のデータを部外者に盗みとられてしまう危険がある。適切な消去作業とは内部情報を完全に物理的に消去することである。

論理的消去
操作者がファイルの削除操作を行ってもOSは通常はインデックス部に削除情報を書き込むだけで、記録情報の本体であるデータ部はディスク内にそのまま残され、「ゴミ箱」を空にしても一般的なファイル復元ソフトによって復元される可能性がある[8]。 また通常のフォーマットもデータ部をクリアすることはしない為、復元される可能性がある。

上書き
データ領域の残存データを完全に消去するには、データ領域に他のデータで上書きするのが手軽であり、1回の上書きではなく3回程度が確実とされている。1回だけではデータを上書きする際に、磁気ヘッドのトラッキングのずれによって僅かな磁気が残留する可能性がある。そのため完全消去には、3回程度の上書きが必要とされる(米国国防総省NISPOM規格)。ただし、この上書き後の残留磁気からデータを復旧することは、特殊な機材と専門知識を必要とする為、一般のユーザーや一般の復旧業者に行えることではなく、「理屈の上では可能とされている」というのが実際である。

詳細は「データの完全消去」を参照

データ消去ソフト
そのため一般的な使用においては、売却・廃棄をする際はデータ消去ソフトで完全消去するのが望ましい。またハードディスクドライブ自体が故障してデータ消去できない場合でも、故障箇所によっては修理によってデータ漏洩する危険がある。また、火災や電子レンジなどで外見上破壊されていても、特殊な復旧機材を所有する業者に依頼すれば高額ながらもデータ復旧は可能である。過去にコロンビア号空中分解事故においてスペースシャトルコロンビア号に搭載されていたハードディスクのデータを、NASAがアメリカのデータ復旧業者に依頼し、中身のデータをほぼ復旧したという事例がある。

物理的破壊
最も簡単には、ハードディスクドライブを物理的に完全に破壊する方法が確実である。現行製品の内部のディスク基板(プラッタ)の多くは強化ガラス製であるため、粉々に破壊でき、アルミ合金製の場合でも表面に満遍なく傷を付けるか、金ばさみで切断する等するとよい。外付けの場合は外装から内蔵用ハードディスクと同じものが取り出せる。一番簡易かつ確実な方法としては、粉砕器を利用して完全に粉砕することである。粉砕機は高価で持ち運びが困難であるためにドリルで穴を空ける方法を採る業者も存在するが、これでは完全消去には不十分である。ノートパソコンは以前はドライブを取り出すのは困難な機種が多く、ホームページを探したりして取り出す手順を探し出す者も少なくなかったが、近年では物理的に破壊したい人のために簡単に取り出せるノートパソコンがほとんどである。

暗号化
データを暗号化しておけば、たとえ物理的にデータを読み出されても暗号が解けない限りは情報の機密は守られ、紛失や盗難時にも有効である。ただこの場合でも、念のため完全消去することが薦められる。


今後の見通し
現在も年率40%で記録密度が向上しており、今後もデータ保存コストの低廉化に大きく貢献し続ける見込み。2009年頃からディスクリート・トラック媒体が導入される見通しで、さらなる容量密度の向上が見込まれる。しかし、高密度化の根本的な障害となっている熱揺らぎの問題を解決するものでない。他にビット・パターンド媒体、熱アシスト記録等の導入が検討されている。なお近年、フラッシュメモリの大容量化が著しく、1.8インチHDDは耐衝撃性の問題もあり、消費電力が少なくアクセススピードの速いFlash SSDに置き換えられる可能性が高い。


類似の記憶装置
RAMディスク
RAMディスクは、コンピュータ上に搭載されたRAMの一部を、デバイスドライバ等によりHDDのように使用するものであり、古くパソコンではCP/MやMS-DOSの頃から利用されている。また、汎用ハードディスクドライブ等のディスク・ドライブと同様に操作出来るメモリディスク装置(電子ディスク装置)が汎用機(メインフレーム)用として1980年代から使用されているが、半導体メモリの価格低下に伴い一般向け装置も登場し、普及して来ている。

ハイブリッドHDD
不揮発性のフラッシュメモリとHDDを1つに組み合わせたハイブリッドHDDがある。これにより低消費電力で読み書き速度性能と耐衝撃性も向上したとされるが、高価なため流通量は少ない。

Flash SSD
Flash SSDは、RAMディスクと同様にシリコン記憶素子をHDDとして使用するが、揮発性のDRAMより構成される主記憶の領域を使用するのではなく、フラッシュメモリを使用した単独の記憶装置であり、PC用(特にネットブックやノートPC向け)やサーバー機での使用が進んでいる。


主な製造企業

シェア
2008年10月-12月の世界でのハードディスクドライブの出荷台数シェア[9]は次の通りである。

Seagate 31.7%
Western Digital 26.0%
HGST 17.1%
東芝+富士通 17.0%
Samsung 8.2%


現在製造を行っている主な企業
この節には『独自研究』に基づいた記述が含まれているおそれがあります。信頼可能な解釈、評価、分析、総合の根拠となる出典を示してください。

シーゲイト(Seagate)
最大手のHDD専業メーカーで、3.5インチ型を主力とする。2005年暮れに当時の有力メーカーMaxtor(3.5インチ型のサーバ向け・デスクトップ向け共に3位)を19億ドルで買収、両社合わせると2005年はデスクトップ向け3.5インチ型で40%超、サーバ向け3.5インチ型では66%を占めた。2003年からはモバイル向け2.5インチにも再参入し、総合HDDメーカに返り咲いている。
日立グローバルストレージテクノロジーズ(Hitachi Global Storage Technologies)
略称HGST。2003年1月に日立製作所とIBMのHDD事業部門が統合して誕生した総合HDDメーカー。日立製作所も古くからSCSIを中心にHDDを製造していたが、製造量は少なかった。このため、経営主体は日立であるが、実質的な市場シェア等はIBMから引き継いだところが大きい。モバイル向け2.5インチ型ではトップシェアを維持しているが、2003年の統合当時(61%)に比較して、現在は25%以下まで数値を落している。1.8インチモデルは生産撤退を表明。赤字経営が続き、事業譲渡計画がいくつかあったが、現在は自主再建を目指し、2008年には営業黒字を発表。3.5インチ型はMFPやDVRなど日本製電化製品で大きなシェアを持つ。
ウェスタン・デジタル(Western Digital)
デスクトップ向け3.5インチ型及びモバイル向け2.5インチ型を扱うメーカー。過去にはサーバ向け(SCSI)の製品ラインナップもあった。同社はATAコントローラーの開発メーカーであり、現在でもシリアルATAでは唯一10000回転のHDDとしてRaptorシリーズを販売している。また、逆に回転数を低く設定し、読み書きの性能よりも省電力をアピールした低価格製品も販売している。2005年はデスクトップ向け3.5インチ型で旧Maxtorを抜いてシェア2位(約20%)に浮上した。
東芝
モバイル向け専業メーカー、小型化技術に定評がある。モバイル向け1.8インチモデルは富士通やHGST等の撤退によりサムスン電子と2分する状態。モバイル向け2.5インチでも比較的上位のメーカーである。近年はシェアが低下(2007年では4位)していたが、2009年に富士通のHDD部門を買収したことで、20%程度への回復が見込まれている。
サムスン電子(Samsung Electronics)
ハードディスク分野では2001年頃から台頭してきたが、過去には、製品として1992年頃にIDEのHDDを出荷していたことがある。ヘッドやプラッタなどの基幹部品を外部からの購入に依存するメーカーだが、1.8インチ製品では、現在では実質的にサムスン電子と東芝だけとなっており、その分野でのシェアは高い。3.5インチ型と2.5インチ型の製品価格が安く、ウェスタン・デジタル等のローエンド製品と競合している。トータルのシェアは高くないが、外付けHDD製品では比較的多く使われており、日本ではアイ・オー・データ機器やバッファローなどが採用している。また、エプソンダイレクトなど一部のノートPC等で採用されている。
パナソニック四国エレクトロニクス(旧松下寿電子工業)
1994年から2002年までは旧Quantum社のOEM生産を一手に担っていた量産メーカー。一時HDDの生産が途絶したが、2003年に東芝と技術提携し、現在は東芝ブランドの2.5インチや1.8インチなど小型HDDの生産を行っている。ライナーの技術開発に優れており、メーカ各社にライナーのレシピをライセンス提供している。自社ブランドのハードディスクドライブは製造していない。
要素部品の製造に関係するメーカー
プラッタを製造するメーカーとしては、昭和電工、HOYA、富士電機などがある。これらのメーカーは完成品としてのドライブは製造していないが、ハードディスク・メーカーに部品を供給している。完成品のHDDを製造できるメーカーでガラスプラッタを自社生産出来るのは、シーゲート、日立グローバルストレージテクノロジーズ、ウェスタン・デジタル(2007年コマグ社を買収)の三社で、他社はプラッタ製造メーカーから納入を受けている。ただし、自社生産できるメーカーも、供給安定のために自社のプラッタと併せて利用している。
その他、TDKが磁気ヘッド部分の製造と提供を行っている。TDKはアルプス電気より製造設備と知的財産権(IP)の譲渡を受け、高いシェアを持つ。完成品のHDDを製造するメーカーでは、シーゲートや日立グローバルストレージテクノロジーズ等が自社生産を行っている。垂直磁気記録方式では、従来以上にヘッドとメディアの“すり合わせ”による微調整が重要になるため、自社生産は強みとなる。
また、プラッタを回転させるモーターに関しては、JVCモーター(2008年2月22日に日本ビクターが事業部を会社分割、売却)などがある。

過去に製造を行っていた主な企業
コナー (Conner Peripherals)
HDDドライブ等に用いられるIDEインタフェースをコンパック(Compaq) と共に開発したことでも知られる。1996年にシーゲイトに買収された。なお、Conner Technologyは、その後に設立された別企業。
クアンタム (Quantum Corporation)
一時は世界シェア2位に君臨していた有力メーカー。HDD部門が2001年にマックストアと合併され、HDD事業から撤退。ストレージ関連企業としては存続している。
マックストア (Maxtor)
技術力に定評があり、業界のリーダー的な地位にあった有力メーカー。シェア拡大を目指してQuantum社を買収したが、上記シーゲイトの項にあるとおり、2005年にシーゲイトに買収された。ATA100の次世代としてATA133規格の策定を主導し、シーゲイト、ウェスタンデジタルやサムスン電子に採用された(日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)には当初採用されなかったが、SATA規格HDD登場後に採用され、最終的にほぼ全社に渡って採用された。)。
ただしシリアルATAへの普及を目指すインテルには支持されずインテルはATA133をサポートしていなかったため、ATA133として動作させたい場合はVIAなどの互換チップセットを使う必要があった。
IBM
1956年に発売したRAMAC350 DiskStorageから現在のHDDの歴史が始まったと言われる老舗メーカー。以降、長らくHDD技術の先導役を務め、一般的なアルミニウム合金以外では、唯一実用化されたガラス製プラッタを用いたHDDを開発したことでも知られる(イメージに反し、耐衝撃性ではアルミ合金より優れていた)。2003年にHDD事業部門ごと日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)に売却された。
エプソン
SCSIハードディスクドライブメーカーとして、国産パソコン内蔵用にOEM提供していた。国産パソコン市場がPC/AT互換機により一掃されてしまったことにより(パソコン向けSCSIドライブ市場の実質消滅・大容量化に追従できず)、ハードディスクドライブ事業から撤退。後にセイコーと合併しプリンタ事業・電子デバイス事業に専念する。
日本ビクター
1990年前後より2.5インチHDD等小型HDDを生産していた。HDD事業撤退後もプラッタ用モーターの製造販売をJVCブランドで行っていたが、現在では事業を会社分割し、売却された。
富士通
サーバ向け3.5インチ型とモバイル向け2.5インチ型のメーカー。2001年まではデスクトップ向け3.5インチ型も製造しており、当時日本で唯一の総合HDDメーカーだった。しかし激しい価格競争で採算性が悪化したデスクトップ向け3.5インチ型(IDE)から撤退、採算が良く成長市場であるサーバ向け(SCSI)とモバイル向け2.5インチに特化した。このため、当時は富士通がHDD事業から撤退したとの誤解も見られたが、2005年の時点でもサーバ向け3.5インチとモバイル向け2.5インチで、それぞれ20%台のシェアを保持する日本最大のHDDメーカであった。また、主要部品である磁気ヘッド、プラッタ(ディスク)を自社で製造する数少ないメーカーでもあった。近年激化した価格競争による経営の悪化を受けて、2009年にHDD事業を東芝へ譲渡し、HDDメディア部門を昭和電工に譲渡し、事業撤退を表明。
他にも、NECや富士電機なども製造していたが、1990年代中ごろには撤退している。


脚注
^ HDDが21世紀現在、固定ディスクと呼ばれことがあるのは、概ね取り外しに手間がかかりほとんど固定されて使用されるためや、PC環境でのCD/DVD/BD-DVDとの対比が原因だと考えられる。HDD単体や外付けHDD装置ではSATAやUSBによって容易に脱着できるようになると同じHDDでも固定ディスクと呼ばれなくなる。
^ JEITA. "2007年情報端末関連機器の世界・日本市場規模および需要予測". 2008年10月23日 閲覧。
^ 2009年6月現在、1プラッター当り最大500GBの3.5インチ製品が市販されている。
^ 日立製作所の技術開発により、クーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果が発表された。これは1平方インチ当たりの記録密度を現在の5倍、1Tbitに引き上げるものとされる。
^ その多くは半導体プロセス技術の進歩の恩恵を受けている。その応用例の一つとして、IBMが発明したPixie Dust技術(反強磁性結合メディア、AFCメディア)がある。これはディスク表面の磁性体の上にルテニウム原子を3個コーティングして、さらに磁性体でコーティングしてサンドイッチにした物である。この技術は2001年、1平方インチあたりの記録密度を100Gbitに高める可能性を示し、同技術の改良版によって2002年100Gbitに達する製品を実際に発売した。その他に、2002年に富士通がディスク表面に微細な凸凹(テクスチャ)を施し磁性体の表面積を大きくし、記録密度を高める技術を発表した。東北大学の岩崎俊一博士(現東北工業大学学長)が1977年に発明した垂直磁化記録方式は、理論上では水平磁化記録方式よりも安定して高密度化できるが、いくつかの技術的困難があった。2005年に東芝が実用化し、今日の超高密度記録を実現している。さらに東芝では、この垂直磁化記録方式のプラッタに溝を加えることにより磁気の相互干渉を抑えてさらなる記録密度向上を狙ったディスクリート・トラック・レコーディング(DTR)技術、パターンド・メディア・レコーディング技術が開発された。現在実用化に向けて研究されている。
^ 関西大学システム理工学部では保護膜上の潤滑膜層の形成に「電圧印加ディップ法」を使い、現行の1.6-1.8nmから1.1nmへと薄膜化することで磁気ヘッドの浮上量を2nmから1.4nmへと小さくすることで面記録密度を現行品(400GB/inch2)の2倍以上の1TB/inch2にまで向上させるとしている。(Nikkei Electronics 2009.6.15 p14-15)
^ Bianca Schroeder; Garth A. Gibson. "Disk failures in the real world: What does an MTTF of 1,000,000 hours mean to you?" (英語). USENIX. 2008年10月23日 閲覧。
^ 論理的消去の直後であればファイル復元ソフトによってほとんど100%が復元されうる。
^ HDD出荷台数シェア:朝日新聞 2009年2月18日 経済面より (テクノ・システム・リサーチ調べ)

フリー百科事典より
お友達のネットブックが電源入れてもOS?液晶真っ暗で立ち上がらないとよ~と電話があり
データーを取り出して欲しいと・・・メーカーに修理だしてもデーターの中にこんな画像があると

nnnsssoopopopopopo-10.jpg
恥ずかしくて出せない・・・
過去にあきらめて凹んだ。たくさんのお友達達壊れたPCやハードディスク捨てられずに保管していると言う。


なんとか力になろうといろんなPCを分解して数々のデーターを救った!



いつかは必ず壊れるPCやハードディスク。でーたーの保存方法をまめにしないと壊れてしまっては後悔します。
僕のお勧めは使い方によるが、
予算のある方は1年に1台はPCを買う「寿命3年」
2年に1度は外付けのハードディスクを2台買ってミラー保存「寿命5年」
こまめにDVDやCD-Rに保存する「寿命10年ぐらい」

これをしても失うデーター安心はできない!!!

写真を印刷「寿命100年」

さて突然壊れるハードディスク・・・

昨日の続きですご覧くださいませ^^


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以上PCの部屋見せろ!でした^^

という訳で見ていただきましょう^^

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SILICON POWER  SP128GBSSDE10S25を使ってみたが・・・

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早速HDDをSSDに交換して使ってみた。

感想はいまいちだった。

確かにHDDよりは早いが、このSSDはキャッシュが無いタイプでプチフリをよく起こす。
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以前使っていたWestern Digital 製ハードディスク次世代モデル 世界最速SATA HDD ヴェロキラプトルWestern Digital WD3000HLFSを使っていたせいもあり、気持ち!?速さをチョイ体感できたぐらいだった(汗)

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プチフリも起こすことを考えたらタイムラグは変わらないと判断し、元のHDDに戻してみた^^

結果4号機PC「POV-ION-MB330」にこのCドラとしてSSDを搭載することに決め、メインPCのアップデートに考えてたSSDを諦めたわけじゃない!!!
次はこれをCorsair CMFSSD-64GBG2Dアップデートする予定。
いずれはCドライブはSSD「OS・アプリケーション」用として、データー用はHDDと使い分けする予定である。

だがラップトップにこのSSDをアップデートも考えている^^
無敵のラップトップが完成するだろう。



momo&momoカノさんこんなオタクブログとくにPC関連記事を楽しみにしてるとか(^^)
嬉しいです^^僕一人しかいないんじゃないかと思ってました(爆)
ありがとうございます^^
この夏のお盆休みを利用して、
日頃なかなか交流を持てない遠方の倶楽部員さんと交流を深めて来ました。


まずは、富山県まで足を伸ばし、

『悟空&麗香さん』



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悟空さんは縄師会の会長さんで、この日はカッコイイ浴衣姿でお出迎えしてくださいました。


会長の悟空さんが、縄師会のモデルである麗香さんと(写真:中央)
なつCPのなつを真っ赤な縄で縛ってくれました(写真:右)
(写真:左)の女性を縛っていたのは縄師会の幹事長『歩風蘭(ポプラン)さん』です。
こちらの素敵な女性は縄師会のモデルで『マリちゃん』です。



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写真にロゴが入っている『縄姫会』は、今回の交流会で突然発足されました^^

縄を縛る人が縄師なら、
縄で縛られる女性は『縄姫』だね・・・と・・・^^
縄師会会長の講義も受講できますよ~。



緊縛されることに興味があったり、
既に緊縛は経験済みの方でも、
写真を撮られてみたいだけの方でもOKです。
みなさんお気軽に入部くださいね(大歓迎です^^)

なつの赤い縄も撮影する為に体に縄痕が残らないように緩く飾ってくださいました。



悟空&麗香さんにお会いするのは今回で二度目なのですが、
男性陣はカメラ談義に花が咲きとても楽しそうでした。
麗香さんと、なつCPのなつはとっても仲良しになってウフフフフ^^


深夜に悟空さんが、岐阜県の混浴温泉にも連れて行ってくださいました^^
麗香さんと、なつをモデルに混浴での撮影もしましたが、
さすがに二人とも全裸なのでココでのアップは止めておきます(笑)



そして翌朝は石川県の
『momo&momoカノさん』が混浴温泉まで来てくださり裸の付き合いを楽しみました^^

momoカノさんとも混浴での写真を撮りましたが、当然の如く全裸で
やはりココでアップするのは勿体無いので止めておきます(笑)





悟空さんも、momoさんも一眼レフをお持ちで
日頃から彼女さんをモデルに撮影を楽しんでおられます・・・




いつの日か、写真倶楽部の全メンバーでの交流会が出来るといいですね^^

さ、次回は何処の地を回ろうかな???・・・。




             記事記録:なつCPなつ でした^^